①では実業団バスケの月間MVPになったガードについて説明したが、②ではJ2のFWについて述べたい。

①にも説明したJ2のFWである難波宏明は高卒でJ1クラブに入団も1年で戦力外。その名門・流経大に入って大学サッカーリーグで活躍して、再びJへ帰還した苦労人だ。

そんな難波。2014年にFC岐阜に加入してから30歳を超えてからのキャリアハイの12得点を叩き出し、歳をとってからもサッカー選手は活躍できることを証明した。

難波の勢いは2015年も止まらず、この年も12得点。小兵FW特有の裏に抜け出す動きと器用な足技で、ぶっちぎりでチーム得点王となり、低迷するクラブでJ2得点ランクにも食い込む孤軍奮闘ぶりを見せた。

「えっ?どこが①の古野と同じなのかわからん⁈」これが共通点があるのだ。

それが①でも述べた「他の日本人選手との基本性能に差がある」というところである。

古野にしても難波にしてもチームの中で突出した能力があるのは間違いない。そしてチーム内の助っ人外国人もまたある種の超人的な能力も計算できる。

しかし熊本ヴォルターズにしても(昨年までの)FC岐阜にしても、古野(難波)と他の日本人選手との実力差があり過ぎた。

バスケの場合、相手は古野に対してダブルチーム(1人の選手に対し2人のマークをつくこと)をすれは他の選手は怖くないし、サッカーでもJ2のライバルは当然研究し、難波に(自分のチームの)ストッパーがマンツーマンの守備をすれば岐阜の攻撃力は半減した。

筆者はこのブログのサッカーネタで、突出した超人的な活躍する「絶対的ストライカー(王様FW)と10人の小人たち」という個の力に頼った戦術では、Jのピッチでは淘汰されるという話をしたが、それはバスケのような他の球技でも同じだ。

外国人助っ人や(古野や難波のような)チームのエースが日本人離れした超人的なプレーをするのは当たり前。問題は「日本人選手全体と助っ人外国人との能力の差をどれだけ縮めることが可能なのか?」である。

このブログで紹介した古野にしても難波にしても、外国人助っ人との実力差は個人という単位では縮めることができた。

しかし、問題なのはサッカーでもバスケでも日本人選手全体の能力の底上げである。そういう意味でリーグ上位に上がるには(春先のFC岐阜は調子は良かったが)、チームの多数派である日本人選手の能力の平均値を上げることが重要なのだ。それがリーグ上位につけるか下位に甘んじるかの差に繋がる。