①では独立リーグと若者を取り巻く厳しい雇用環境を説明したが、②ではそうした環境から生まれてしまう、克服するのが難しい日本社会の社会問題をみたい(ある意味ではスポーツビジネスから逸脱するかもしれないがご容赦願いたい)。
①で述べたように今の日本の若年層への雇用環境は爆烈に厳しい。要は今までみたく受験勉強のみでは世の中を渡るどころか、社会人としてのスタートラインにすら立てない時代になった。
そうした時代なのに、就活で入社説明会をハワイで経験したようなバブル期から上のおじさん世代は「今の若者は」と、犬も食わず猫もまたぐような愚痴という名の説教をつぶやく。
筆者は就職氷河期の初めの頃だったが、こうした雇用環境の天と地ほどの格差に関して、もし今の自分が就活生なら「ふざけんな!(怒)」と吐き捨てるだろう。
全身全霊で血のにじむような努力をさしてやりたくもない就活でしても、全く報われず面接官に全否定されるなら、自分の好きな世界に逃避するのも無理はない(実際に筆者〔独眼鉄〕は当時ボクシングに逃避していた)。
そうした時代の急激な変化の中で生まれた「夢の受け皿」が①でも述べたが、独立リーグであり、ここからが問題だが野球を含めたスポーツコンテンツという意味でも、日本社会の広い意味での雇用という意味でも、(大袈裟な表現をすれば)日本社会の新たな世界へ進むための「脱皮」ができるのが「(独立リーグのような)新たな価値観に対する寛容さ」である。〈③に続く〉