①ではラグビー人気と選手のビジュアルとの関係性について述べたが、②では他の競技についても見ていきたい。

最近ブームになっている肉体派アミューズメントとして新日本プロレスがある。プロレスという娯楽は昭和の頃は絶対的かつ圧倒的なキラーコンテンツだったが、いつしかこのジャンルは一部のマニアだけが固まった、数あまたあるサブカルの1種類に成り下がった。

そうした中で新日本プロレスという伝統ある団体は、一時期かなり苦しい時期があった。

そうした中で「100年に1度の天才」棚橋弘至が様々な努力をして新日の人気を復活させたのは記憶に新しい。

そんな瞬間最大風速のブーイングを真正面から受け止めていた棚橋だが、彼自身が女性客を会場に呼び込みたいという意味で従来のプロレスラーの概念を壊す努力もした。

下の写真を見てもらいたい。最初の表紙がNumber882・2015年7月30日号の棚橋で、次がNumber421・1997年7月3日号の長州力である。

見比べるとよく分かるが昔のレスラーというのはお腹周りに脂肪がくっついていて、レスラーというより相撲のあんこ型の体型に対して、棚橋の腹筋は6つに分かれていてレスラーというよりボクサーみたいな形をしている。

昔のレスラーは身体に脂肪がついていても普通だったが、今の棚橋や飯伏幸太はレスラーというよりボディビルダーのような体型だ。

昔バイト先でよく話をしていた女子大生が「格闘技は好きだが、プロレスラーのような締まっていない身体に異性として魅力を感じない」と言っていたが、今も当然若い女性客からすれば、締まった身体の方が見ていて満足する。

きっかけ作りとしてヘラクレスのような身体を作るようにして、そこを入り口にして女性客を囲うというのは、とっかかりして十分「あり」だ。

実際に棚橋の場合、こうした腹筋を作るために、大好物のフライドポテトチキンやフライドポテトを絶っているとあって、グラドルの体重制限よろしくレスラーも練習とは違う意味で、プロポーション維持の努力もしている。

そうした血のにじむ努力の先に、今のプロレスはビジュアル的な魅力をアピールしている。

女性客を囲うということはスポーツビジネスとして重要なことだが、アスリートは試合に勝つのとはまた違う努力も興行の世界には必要だ。 

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