①ではボクシングの世界戦というのが、プロモーター(試合主催者)が金と手間暇をかけてやることというのを説明したが、②では野球の独立リーグについて説明していきたい。
そもそも日本において大学卒業後の野球選手がプレーを続ける場というのは、都市対抗を中心とした社会人野球がほとんどだった。
しかし、長引く不況で日本企業も長期的な経営ビジョンや手厚い福利厚生より、短期的な企業の株価の上下の方が優先され、その結果、採算の合わない企業の野球部というのがどんどん廃部になってしまった。
そうした社会人野球がなくなった新たな受け皿というのが独立リーグである。
しかし、独立リーグには独立リーグ特有の悩みもある。
独立リーグがある地域だけの悩みではないが、野球どころというのはどこでも「球場確保」というのが、大きな悩みである。
以前、このブログでも東東京の高校の野球部はグラウンドの奪い合いで、私立の野球部は千葉の郊外にグラウンドを確保して野球をしている、という話をした。
独立リーグもこうした問題に直面している。関西の独立リーグの場合、もともと野球熱がある土地柄というのもあって、立地の良い球場はシニアリーグや高校野球部・大学野球部・クラブチーム(会費を集めて野球をするチーム)などに人気があり、独立リーグの球場確保のためのライバルなど山ほどある。
他にも独立リーグも試合球の確保や審判の手配というのも全部自分でやらないといけない。試合球も硬式の公式球(ダジャレではない)だと1個1000円もする。毎回だと結構な出費だ。
こうした環境だから国内外問わず、野球の独立リーグというのはチームやリーグの破綻というのが日常茶飯事である。
「スポーツビジネス=夢の仕事」というイメージで甘いことを言う輩もいるが、実際のスポーツビジネスというのはそんな口当たりの良い世界ではないのである。