①では福岡を中心とした九州で日の出の勢いでブイブイ言わせていた福岡ソフトバンクホークスと、場末のJ2クラブ(当時)だったアビスパ福岡との見事な濃淡のコントラストを述べた訳だが、そんな中で少し前だが、2011年のJ2のニュースで衝撃的な話があった。
「2011年のアビスパ福岡の総人件費と(当時の)ソフトバンクホークスの先発ローテーションの一角である杉内俊哉(現巨人)の年俸がほぼ同額っ!」
このニュースは軽い衝撃をサッカーファンに与えた。
グラ◯ニの「プロ野球格差社会」ではないが、同じ福岡市内のプロスポーツチームと言う枠の中だけでも、スポーツビジネスと言う範疇の中で格差社会が存在していた。
杉内も今年は5億円→5000万円と10分の1の収入になり(2011年は3億5000万円)、所得税が払えるのか?と言ういらぬ勘繰りもしてしまいそうだが、今更説明の必要もないが、プロ野球選手の年俸と言うのは凄い選手だと億単位の収入はゴロゴロいて、やはりスポーツで夢を買うと言うには、このくらいのビッグな収入が欲しいところである。
一方でサッカーで年俸1億円と言ったら、J1ガンバ大阪の宇佐美貴史などかなりの選りすぐりになってしまう。Jも健全経営と言うが、実際には選手の夢である給料(人件費)の抑制が経営の安定化に繋がっているのは皮肉だ。
それどころか営業収益14億円のアビスパ福岡で人件費に利用できるのは約3割(この比率はどのJクラブも同じ)。
3億5000万円ほどの総人件費を50人ほどの選手・監督・コーチ・裏方で分け合うのである。
スポーツビジネス=夢を売る商売、と言うイメージがあるかもしれないが、実態は超のつく格差社会なのだ。