このブログがUPされる頃にはリオ五輪が間近に迫り、4年に1度のスポーツの祭典に普段スポーツに興味ない人含め、皆そわそわしているだろう。

そうしたオリンピック。オリンピック自体は国威高揚という意味でナショナリズムを世界中に示すための闘いという部分もある。

そんな決戦の前に開会式の入場時に国旗を振って入場してくる。

しかし五輪はともかく、スポーツの国際大会で、実はどこの国の国旗でも大きく振れるという訳ではない。

五輪ではないが、1994年のW杯アメリカ大会のアジア予選でイラクが予選突破すればアメリカは一大事だった。アメリカの国土に湾岸戦争の敵国イラクの国旗が舞うことになる。アメリカにとっては屈辱以外の何物でもない。それは何としても避けたかった。

幸いイラクは同大会は出場できなかったが、「スポーツと政治は別」と言いながら、実はこの両者は密接である。

翻ってボクシングの世界戦の話だが、1992年10月11日のWBCミニマム級戦で挑戦者ロッキー・リンは台湾人だった。

この時主催者は中国との関係性に配慮して国歌斉唱&国旗掲揚を取り止めた。

台湾という地域について読者は疑問があるかもしれないが、中国は国共内戦後、1949年に中華人民共和国を設立。一方、内戦に負けた国民党は台湾に逃げて同じ年に中華民国を設立。

こうして世界には2つのチャイナが存在することになった。

北京政府の見解としては台湾と言うのは「台湾省」であくまで中華人民共和国の行政区画の1つとみなしている。

しかし、実際は中華民国の台湾政府が事実上独立状態である。

そうした中で、スポーツの国際大会で台湾政府の存在を示す青天白日旗(台湾の旗)が舞うのは北京政府は困るのである。

こうした世界の民族問題はまだまだいっぱいある。②でも見ていきたい。