今、アジアフットボール批評というムック本を読んでいたら、インドのサッカーリーグについて描かれていた。
それによると、インドにおいてサッカー人気はナンバー2になりつつあるというが、ナンバー1のクリケットとの人気の差は圧倒的すぎてその背中は見えないという。
この記事を読んで改めて21世紀のスポーツビジネスの難しさを感じる。
というのも、それまで特殊な世界の興行だったスポーツの熱狂というのが現金化できると気づいてから、世界中で様々なスポーツの普及活動というのがなされていった。
それだけスポーツという文化がその国に普及すれば、「金の成る木」ではないが利益が生まれる土壌ができるからだ。
しかし、ものごとそう簡単にコトは運ばない。さっきのインドのサッカーではないが、自分の国の中ですでにスポーツ文化というモノが構築されているのに、いきなりどこの馬の骨かもわからない外国人が「こんなスポーツがありますよ」と言われたところで、「知らねーよ」と相手にしないのが大半である。
実際、スポーツの普及が金になると気づいたアメリカ人が、中国で野球の普及活動をしようとしたが、その活動を日本に置き換えるなら日本国内でクリケットをメジャーにしようと考えているようなものである。
それこそ日本人が、クリケットが本場イギリスでどれだけ人気があろうと知ったこっちゃないのと同じように、中国人も野球なんぞ知ったこっちゃないという話である。
そうした下手をすれば競技の単語すら聞いたことがない人に競技の概念を伝えるのは一筋縄ではいかないのである。〈②に続く〉