①では「話題性」という観点からプロ格闘技というジャンルは、会場に行くこと自体がネガティヴなイメージがあって、スタートからいきなりビハインドを背負っているという話をしたが、②では会場に行ったこと=ネタになるというアドバンテージのある競技を見てみたい。
会場に行っただけでネタになるような会場だと、筆者が最近行った会場なら、(これもプロ格闘技の1つだが)大相撲の両国国技館である。
去年久々に高校時代の親友と会った時だが、筆者がその少し前に両国国技館で相撲を見に行ったと言ったら、そいつはその話題にかなり食いついてきた。
それだけ国技館という会場は行っただけでネタになりやすいアドバンテージの高い会場である。同じプロ格闘技でも後楽園ホールのボクシングとは大違いだ。
筆者自身ボクシングの世界戦で1990年代から両国国技館というのは行ったことはあるが、やはり大相撲での観戦は違うのである。
ボクシングの時だが両国国技館の升席で、赤の他人と同じ席を共有した話もそうだが、実際の相撲観戦でも1番端っこの席でも力士がぶつかり合う衝撃音は楽しめるとか、地下1階の大広間では1杯250円のちゃんこが食べられるといった話題を振ると、その親友も興味深く聞いてくれた。
また筆者は経験はないが昨今のジョギングブームで、東京マラソンの経験者も話題性という意味では相当デカい。
普段は車しか走れない車道を当選したランナーだけは、大会中は堂々と東京都心の車道のど真ん中を走れるのは、お金で解決できない稀有な経験で、それも話題性が◎だ。
まだ他にもあるが、このくらいにしておきたい。スポーツというのは試合の最中もそうだが、試合後に周囲の人間にネタと話す部分も含めてスポーツなのである。試合だけが重要なのではない。