①では地元の体育館をネーミングライツで有効利用することによって、区の税収をUPさせようと思った訳だが、②ではその続きをいきたい。
①では墨田区総合体育館について述べた訳だが、東京にはネーミングライツという意味で有効利用されていない公営施設がまだある。大田区総合体育館である。
大田区総合体育館の存在を知ったのは2010年代に入ってからだが、体育館近郊の五反田にある強豪のボクシングジム・ワタナベジムが、自分のジムの世界戦で使ってからである。
もともとこの施設はプロバスケやプロレスの試合で使っていたのを、(プロレスと)同じリング設営が必要なプロ格闘技であるボクシングでも使うようになり、そこからワタナベジムのみならず他のジムも世界戦で使うようになった。
昨年(2015年)都内で行われた5回の世界戦のうち、4回は大田区総合体育館であった。
少し駅から遠いが(JR・東急蒲田駅から徒歩15分、京急蒲田駅から徒歩7分)、抜群の見やすさの上に(相場は知らないが)会場利用料も手頃とあって、ボクシングのプロモーター(試合主催者)は皆、この体育館のヘビーユーザーになった。
…しかし…
①の墨田区総合体育館もそうだが、大田区総合体育館もこれだけ一目に触れて、それぞれのスポーツを見に行くファンに名前を覚えてもらう絶好のチャンスなのに、そのチャンスをドブに捨てている。
名前は伏せるが神奈川県のJリーグを行えるスタジアムの利用料を、購入した企業が支払った金額は5年契約で1年あたり4000万円だという。
墨田区にしても大田区にしても、地方債が刷り辛い厳しい自治体の財政で、こうした収入源は貴重である。
イギリスの詩人であるジェームズ・オッペンハイムは「愚か者はどこか遠くに幸せがあると思い込み、賢い者は足元で自分の幸せを育てる」というが、こうした自治体も自分の足元にある施設に「税収」という幸せがあることに気づかないといけない。