①では「税金」と言うタイトルながら、プロ野球の移籍金やポスティングシステムについて述べたが、②ではそれによって得た多額の年俸に掛かる税金について、詳しく紹介したい。
①で述べたように2007年に松坂大輔はポスティングでメジャー挑戦を果たし、当時70億円での移籍と世間は大騒ぎした。
この時、ラジオ界の重鎮でメディアの大御所である永六輔が松坂の税金について、こんなことを述べた。
「松坂君の年俸70億円のうち60億円は国に税金で持っていかれる。実際に遣(つか)えるのは10億円」
永六輔は昭和の頃に「中年御三家」で武道館コンサートを行なったり、坂本九の「上を向いて歩こう(SUKIYAKI)」がブレイクした時の作詞をしていたり、超のつくセレブで長者番付に載るくらいの稼ぎだったので、こうした多額の収入に掛かる税金の「相場」を経験していた。そこからの発言である。
松坂の70億円でこれなら、マー君の161億円も言わずもがなと言える。マー君もおそらく、この年俸で遣えるのは推定で20億円(?)くらいだろう(これは筆者の妄想だが)。
税金がシビアなのは他の競技も同様だ。大相撲で曙が下積み時代に、当時の横綱千代の富士(現・九重親方)がなぜ優勝した時にもらえた副賞の4WDの自動車を福祉施設に寄付するのか?が分からなかった。
しかし曙も自分が横綱になって、横綱は収入もあるが、それに掛かる税金も同様に高いと言うことが分かった。横綱は「月収」だけで毎月282万円+様々な手当もあるが、それにも所得税のような税金がかかる。副賞まで全部貰うと税金で収入が全部なくなる(?)から、その車を売ったのだ。
プロ野球選手もJリーガーも戦力外の後に悩むのが税金だと言う。所得税は前の年の収入で算出されるから、ちゃんと貯金しないと生活できなくなる。
スポーツの世界の「勝ち組」も実はこうした悩みがあったのだ。