①ではマー君やダルの行動や成績を見て、筆者は日本のアマチュア球界がどうしようもないクソだと感じた。②では理由を述べたい。
そもそもマー君(田中将大)は何故怪我をしたか?という話である。
今更理由など日本で野球を見ている人間なら誰でも分かる。中学・高校での連投が原因だ。
日本の高校球児が甲子園で過酷な連投をしているのは、皆分かっていることだ。同じメジャー出身で広島に戻った(実力だけならバリバリのメジャーのローテに入れる)黒田博樹が、高校3年の時にエースではなく、ほとんど公式戦では投げなかったことが逆に肩や肘の使い減りを抑えて、日米での活躍期間が長くなり、後の日本球界を代表する投手になったのは皮肉だ(マー君やダルも名投手だが)。
こうした甲子園での(しかも真夏の40°Cのデーゲームで)連投が身体に悪いのは見りゃ分かることは50年以上前から言われていたことだし、分かっていたことだ。事実、1958年(昭和33年)の甲子園優勝投手だった板東英二も甲子園は春と秋にやるのがベストだ、と雑誌で言っていた。
しかし高野連は選手の健康なんかより、ビジネスや日程を最優先した。要は金の方が大事だったのだ。
事実、自分の高校時代の同級生で野球部のエースだったヤツも、連投で肘を壊して大学では打者転向したし、向かいの公立高校のエースだった子も4日間に3試合という殺人的なスケジュールで投げていた。
そんな多くの有名無名の高校球児の屍(しかばね)の上にアマチュア球界は成立していたが、権威と外圧に弱い日本の組織はアメリカからプレッシャーをかけられたら、いきなり及び腰になった。これは1853年のペリーの浦賀に黒船が来航した頃の幕府の対応から全く変わっていない。
日本の場合、末端の一無名市民の能力は高いのだが、統括するエリートの能力が海外のエリートに比べるとどうしようもない。
先日日本で、若者で結婚できるのはスポーツのトップ選手だけで少子化が爆発的に進んでいると言う話をしたが、今回のスポーツにおける日本の中枢を見て、それは自然の摂理だと言うことがわかった。はやくこうした中枢の人間が淘汰されていくのを望む。