今回スポーツエリートと結婚について考えているが、日本社会で若者で結婚を考えられるのはごくごく一部のエリートだけという社会に未来を託せるのか?という話である。
よく今の日本も「一億総中流社会」から「格差社会」に変貌して、日本経済がガタガタになってしまった感がある。
産業構造や社会環境が30年前と今では変化したのに、日本の企業経営者は未だに昔のような若者を酷使するような過剰な残業漬けで、社会的弱者を搾取を続けている。
「人材も 材料だから 使い捨て」という言葉もあるように若年層の非正規労働者と残業漬けの正規労働者が加速度的に増えて、正規はお金はあれど(女性と付き合う)時間が全くなく、非正規は時間はあれど自信がないという爆発的な少子化街道まっしぐらの状態である。
しかも男性の育児休暇取得率はわずか2%と絶望的な育児環境だ。
また一方で日本の労働者全体で年収200万円台の非正規雇用が37.4%と3分の1を超えているとも言われている。ここまで見ていかに日本政府は一般の若者に結婚してもらっては困るから、非正規として搾取したいかがわかる。
具体的な数字でいえば、1973年生まれの新生児は約209万人だったのが、筆者が生まれた1978年には170万人、今年(2016年)の新成人(21歳)が121万人、2005年生まれが106万人、2014年生まれが100万3000人で、昨年(2015年)は100万8000人である。まさにダダ下がりの急落である。
1年で5000人増えた新生児も、現在(2016年)の日本の65歳以上の人口は約3000万人と、まさにTHE 焼け石に水!と言った状況である。
翻って脱線したが、今の若年層の結婚についてである。井上尚弥だろうが宇佐美貴史だろうが、今の時代20歳前後で(できちゃった婚以外で)結婚出来るのは、ある意味そのスポーツのNo.1のエリートくらいである。
プロスポーツとして成功しているJリーグでさえ、入団当初の若手が結ぶC契約という雇用条件は、年俸の上限は480万円である。もっといえばこの条件は必ず上限まで行くとは限らない。
婚活女子の70%は相手の年収400万円を希望しているが、前述の非正規が多数派の上に、未婚男性の中でそうした収入は全体の25%とも言われ、スポーツエリートであるJリーガーでやっとなのだ(しかも一生その給料という訳ではない)。
こうしたほんのごくごく一部のエリートしか結婚に踏み切れない若者が幸せになれない現在のシステムで、社会全体が幸せになれるのか?という話である。
おそらくこのままでは年金制度も破綻するだろうし、それはある意味仕方ないことである。有権者の多数派である団塊の世代が、配偶者控除など自分たちがトクをする仕組みをガッチリ囲って、若者は利益が無く搾取だけされて、身体を壊したら味の無くなったガムのように紙に包んでゴミ箱直行のシステムになっているのだから。
当然若者はそんな社会に未来を託さない→結婚しない→子供の数が激減→年金制度の破綻、になる。
今の年金生活にうつつを抜かしている人間がいるなら、今のうちに伝えておく。今の労働環境や年金制度は早晩崩壊する。