長くなったスポーツの世界の永遠のテーマ「プロ」と「アマ」の違いも今回を最後にしたいが、プロとアマというのは何に差があるのか?
やはり一言で表すなら「生活がかかっているか?否か?」に尽きるであろう。身も蓋もないがこれが事実だ。
その一方で、そのプロの水に適応出来る選手はどんな選手かといえば、一言でいえば「強心臓」「心臓に毛が生えている」と言った生活にダイレクトにかかる強烈なプレッシャーにも耐えられる、ハートの強い選手がいざとなったら使えるのだ。
以前プロ野球で野村克也監督がヤクルト時代に荒木大輔の話をした。ペナントレースの重要な試合で野村監督は悩んでいた。相手の強力打線に対して、手持ちの投手では勝てないと考えていた。
そんな時に思いついたのが荒木だった。荒木は元甲子園のスター選手だったが、プロでは怪我もあってその時出場機会が激減していた。
そこで野村監督はその重要な試合で荒木の強心臓に賭けてみた。並の投手なら潰されるようなプレッシャーでも、荒木なら甲子園の頃から大舞台では呑まれるどころか、むしろプレッシャーを楽しみ力に変えるような男だった。
実際使ってみると荒木は念願の試合に出られる喜びと日本中が注目しているというプレッシャーを力に変えて、文字通り力投。その試合に勝利してヤクルトの優勝に貢献した。
プロとアマというのは基本的にプレッシャーや注目度は桁違いである。日本でも甲子園や冬の選手権も注目はされるが、プロになると身に忍び寄る重圧というのは度合いが違う。
プロで大成するか、アマのスター止まりで終わるかというのは、つまるところその重圧に耐えられるだけの強心臓と経験値があるか否か?という話なのだ。