今回はスポーツにおける究極の禅問答(答えが出ない真理)である「プロ」と「アマ」との壁について見てみたい。
いわゆるプロとアマというのは何が違うのか?という話だが、今のスポーツ界は球技も格闘技もアマチュアのプロ予備軍化の傾向が強くなっている。
しかしプロとアマには絶対的な溝が深く広く横たわっているのも事実だ。
以前、ある実業団陸上部のマラソンの練習に参加した選手が、ある程度の量の練習が終わって「これで今日の練習は終わりか。これならついていける」と思ったら、その練習は準備運動に近い慣らしのトレーニングだったという話を聞いたことがある。
また筆者もボクサー時代に、プロとしてのチャンスが欲しいがために12kgの減量をしたことがある。
何のスポーツでもそうなのだが、スポーツという一種の娯楽で人様を集めて見せるという商売をすることは、生半可なお遊戯会のようなパフォーマンスではお客様は絶対リピーターにはならない。
それどころか、ちょっとでも下手な試合を見せれば「あの試合はクソだった」と容赦ない罵倒がネット上で拡散されてしまう。
そうした尋常ならざる極度の重圧や様々な立場の人間の思惑が錯綜するプロスポーツという現場で、ある一定の品質を維持するための努力というのは、常人が「あんなプレーなら俺でも出来る」という錯覚が、いかにとんでもない勘違いなのかということを現場に立つと痛感させられるという。
③でもこのテーマについてもっと見ていきたい。