①ではスポーツビジネスに必要な外国語を考えるために必要なターゲットの絞りこみをしてみた訳だが、②ではそこからもう少し一歩踏み込んで考えていきたい。

①で自分に必要なスポーツビジネスを考えたいなかで、「サッカー」や「野球」、「格闘技」という答えが出た人に伝えたい。これらのスポーツビジネスに必要な(英語以外に覚えたら得する)外国語は何なのか?

先に結論を述べたい。それは「スペイン語」である。

しかし、このスペイン語学習の必要性というのは別にバルサやレアルに就職するという訳ではない。向こうにしてみれば、何のコネもアイデアも無いアジアの若者を雇うメリットなどどこにも無い。

では筆者がスポーツビジネスに携わるためになぜスペイン語を勧めるのか?という理由である。

それはスペイン語というのは欧州でも米大陸でも広いエリアを賄(まかな)える、スポーツを仕事にするのに非常に使い勝手の良い外国語だからだ。

スポーツを仕事にするのを考えてスペイン語が話せれば得するというのは、欧州よりむしろアメリカである。

米大陸にはメジャー球団の他に多数のマイナー球団や独立リーグの球団が存在する。現在のアメリカ球界という社会はアメリカ人だけではリーグ運営は出来ない。様々なカテゴリーにいるラティーノ(中南米諸国からの移民)系の選手がリーグ運営の生命線である。

「ラティーノが話す外国語とは何か?」

そう。「スペイン語」である。

前にもこのブログで書いたが、今アメリカでは人種別の人口比率が変わりつつある。

前述のラティーノがアメリカ国内で激増し、もともと「プロテスタント(新教)を信仰して英語を話す欧州ルーツの白人」が作ったアメリカという国で「ローマカトリック(旧教)を信仰してスペイン語を話す中南米ルーツの赤人(せきじん・彼らの肌は漢字ではこう書く)」に支配されつつある。

その上、2014年のサッカーW杯ブラジル大会でアメリカでの視聴率が高く、今アメリカ含めて米大陸のスペイン語圏のサッカービジネスというのも、このエリアでは広い範囲で沸騰している。

脱線した話をスペイン語に戻そう。今言ったようにスペイン語を覚えると野球かサッカーかどっちかを今決められなくても、どちらでも選べるというお得な言語である(だから筆者はスペイン語を勉強している)。

また日本のJに来るブラジル人にもスペイン語の応用は可能だ。

以前、日本のJクラブの強化TDが「言葉は箸。外国語は方言」という言葉を残したが、スペイン語とブラジル・ポルトガル語は日本の標準語と関西弁くらいの差しかなく、彼らは「ポルトニョール(スペイン語とポルトガル語のちゃんぽん)」で意思の疎通をする。

本当は他にも紹介したい言語はあったが、このくらいにする。今日本の外国語学習というのはアジア系言語に押されているが、実はスポーツビジネスに使える言語というのはスペイン語なのである。