①ではJリーグと言うメジャーな競技においての人的な交流の重要性を述べた訳だが、②ではプロ格闘技の世界でもそうした部分は共通するということを述べたい。

筆者がボクサー時代に憧れた選手に畑山隆則という選手がいた。90年代の日本のボクシング界がまだ面白かった時代に、全身ゴムまりのような超絶的な身体能力と超攻撃的な殺傷能力のあるカウンターを武器に、世界タイトルを2階級制覇した当時の看板ボクサーだった。

そんな畑山も日本のリングを沸かしたあとに、御多分に漏れず引退をした訳だが、その後自身が文字通り身を挺して稼いだファイトマネーで事業を起こしたり、地元の大学を卒業したり引退後も精力的に活動していた。

そうした畑山氏も引退後にジム経営を始めることになり、自身のジムのマネージャーになった。

その自分のジムの会長になったのはガチンコで有名になった竹原慎二氏で、この2人の名前を冠したジムを持ち、選手の育成に励んだ。

そして自分のジムの選手が出場する興行と言うのが渡嘉敷勝男氏が主催する興行だった。

最初にこの3人の組み合わせを見て疑問を持った。出身地は畑山氏は青森、竹原氏は広島、渡嘉敷氏は家族のルーツは沖縄で兵庫出身。階級もそれぞれ軽量・中量・重量級と皆バラバラだ。この3人の共通点はどこなんだ?

そしてあることに気づいた。この3人の現役時代に自身の試合を放映したテレビ局が全部TBSのガッツファイティングという番組で同じだということに。

筆者もこのブログでボクシングの世界戦というビジネスは、テレビ局の放映権料が重要な資金源となることは今まで再三再四述べてきた。

だからこそ、この3人はテレビ局が共通するという人と人の繋がりを重視したビジネスをボクシングでやっているということがわかった。

①のサッカーの世界もそうだったが、スポーツビジネスという業界は派手で華やかな世界と思われるかもしれないが、その内側を覗いてみると一般の仕事と同様に人と人との接点を重視した商売ということである。