①では年末の天皇誕生日に行われたレスリング天皇杯での会場の雰囲気を述べたが、②ではレスリングという競技について色々述べたい。

レスリングの歴史は古く、古代オリンピックからその歴史は存在していて、近代オリンピックになってからも第一回(1896年)のアテネ五輪からレスリングは正式種目として認定されている由緒ある競技である。

日本は1924年のパリ五輪からレスリングに参加し、1952年のヘルシンキ五輪で石井庄八が全種目で唯一の金メダルを獲得し、日本レスリングが世界に通用するということを証明した。

五輪の世界も競技による性差(ジェンダー)を解消するという方向性から2004年のアテネ五輪から女子レスリングも正式種目となり、この競技も急速に注目されるようになった。

レスリングという競技の中身に注目すると、よく「フリースタイル」と「グレコローマン」と呼ばれるが大雑把に言えば、フリースタイルというのはタックルなど下半身の攻撃がOKなルールで、グレコローマンというのは下半身攻撃が反則になるというルールだ。ちなみに女子はフリースタイルのみである。

レスリングという競技はポイント制で相手を場外に出すと1ポイント(相撲の押し出しはダメ)、相手の両肩を結ぶ線をマットに向けて90度以上返すと2ポイント。タックルなどがダイレクトに決まって背中から落とすと4ポイント、とテクニカルポイントというポイントを加算させることにより優劣を競い、それとは別に相手の肩をマットに1秒以上着けると「フォール」といい、即試合終了である。

フォールとは別に、前述のポイントでフリースタイルで10点差、グレコローマンで8点差がつけばテクニカルフォール勝ちとなる。

③以降では実際の試合についてレポートしたい。

参考文献   Smile  Sports  2014年6月号