このブログを書いているのは2015年の年末な訳であるが、2015年というのはある意味冒頭のタイトルにある中国の金満クラブである広州恒大が、アジアにその存在を見せつけた一年でもあった。

この年は広州恒大が柏レイソルやガンバ大阪といったJリーグの強豪を軒並み連破し2年ぶりのACL制覇を果たし(広島は広州に勝ったが)、アジアサッカー界やひいては世界サッカー界の勢力図を変えるくらい力をつけていることを示していた。

筆者も中国に行ったことはあるので、中国人のサッカー熱というのは多少は知っているが、それまでの中国サッカーというのは、国民のサッカーに対する熱狂とナショナルチームの強化がうまくリンクしていなかった。

つい最近までの中国人にとってのサッカーに対する興味の対象というのは、中国超級(中国スーパーリーグ)のような国内リーグではなく、イングランドのプレミアリーグだった。

タイや他の東南アジアもそうだが、アジアのサッカーファンの熱狂に対する受け皿というのが、それまで自国内になくもっぱら海外に対する憧憬(プレミアリーグ)がその役割を担ってきた。

しかし世界経済における中国の存在が日本や欧米が無視出来ないほど強力になっていくと、その稼いだ大量のお金の使い道というのが、国内のサッカーリーグに流入するようになっていった。

割と知られた話だが、中国超級というのは別名「不動産リーグ」と呼ばれ、国内の不動産市場が活発化したことにより、金満になった国内の不動産企業がクラブの経営権を買って、チームを運営している。

広州恒大もそうした不動産企業が経営母体となってチームを強化していて、有り余るお金で世界レベルの選手や指導者を招聘(しょうへい)していった。

②でも中国サッカーについてもう少し突っ込んだ部分を見ていきたい。