先日読んだ、ネットでブレイクした学習漫画で「地方は活性化するか否か(こばやし・たけし著、学研、2015年)」という作品がある。

この漫画では架空の地方都市「みのり市」が少子高齢化で衰退する中で、地元の女子高生が地域を活性化させるために奮闘するという作品である。

この漫画にスポーツ的な要素は皆無なのだが、一方で現代のスポーツビジネスに必要なエッセンスも含まれている。

それが今回のタイトルにある「よそもの、わかもの、ばかもの」である。

実際に今の時代、小さな地方都市にもプロスポーツチームが存在することは珍しくなくなったが、そのチームが設立した当初はそんなよく分からない有象無象な集団に、なぜ行政や市民が大金を注ぎ込まないといけないのか?という反発はどこにでもあった。

こうしたいわば無謀な挑戦に果敢に体当たりできる人材が「よそもの、わかもの、ばかもの」だ。

作者のこばやし氏はこの3つに「きれもの」も必要だ、という作中で述べていたが、地域活性化にはよそ者の外から見た冷静に長所や短所を判断できる「客観視」、若者のエネルギッシュな「勢い」、馬鹿者でないと出来ない既存の固定概念に囚われない自由な「発想力」、という3つが相互補完しつつキレ者が扇の要になってバックアップすることが必要だというが、スポーツビジネスにおいて新しいチームを設立するのに必要な人材の定義と全く同じなのである。

②ではそうしたプロスポーツチーム設立のプロセスに必要な人材の具体例を挙げていきたい。