今回はハコモノ行政とスポーツビジネスの関係性をもう少し掘り下げたい。

スポーツビジネスという観点から見てスタジアムと最寄り駅との立地は重要なのは②で述べた。

墨田区体育館はそういう意味では最高なのだが、筆者が勝手に考えていることだが、この体育館をスポーツビジネスの観点からどうやって収益率を高めるか、という話である。

思いつくまま上げていくが、真っ先に思い浮かぶのは「指定管理者制度」を墨田区体育館を拠点にするプロスポーツチームに認定するのである。

指定管理者制度というのは2003年の地方自治法の改正でできた制度で、行政が建てた公営の施設に対して所有権を持つ自治体が、特定の企業を「指定管理者」に認定して、その企業に対して該当する施設を自由に使う裁量を与えて、その施設の利益率を高めることを目的とした制度である。

これは体育館やスタジアムといった体育施設のみならず、TSUTAYAを運営しているCCCという企業が、この指定管理者制度で佐賀県武雄市図書館を運営の委託をやっていたりもしていて(この図書館も今は色々な問題があるが)、膨大な赤字を抱える今の政府が考えている「小さな政府」という考え方で、公営の施設でも民間に委託できるところは民に任せて財政赤字を減らすという発想から来ている。

話を墨田区体育館に戻すが、この体育館もこうした指定管理者制度をスポーツチームに与えて、体育館利用に対する利益率を高めようと考えているのである。

もちろん筆者がここで言ったところで何も変わる訳でもないし、筆者自身にこうした権限がないのも理解している(そもそも墨田区民ですらない)。しかしスポーツチームの発展と自治体の所有する膨大な財政赤字の削減のためにも、こうした発想は重要だ。

④でも地元の体育館の利益率を高める方策について述べたい。