今回もこれからのスポーツビジネスについて考えてみたいが、スポーツビジネスの収入源には色々あるが、①チケット収入、②会場内の物販&飲食物収入、③放映権料、④スポンサー収入、⑤所属する競技の協会からの分配金、などがある。
プロ野球やJリーグ、大相撲のようなメジャーな競技では③や④も期待できるが、ほとんどのスポーツビジネスでの収入源の大半は①や②であろう。
しかし先日のハンドボールもそうだが、本来なら長時間スタジアムや体育館にチケットを買った観客が会場に滞留する場合、十分な飲食物と清潔なトイレの需要が出てくる。
…ところが…
墨田区体育館の場合、トイレの清潔さでは全く問題はなかったが、会場でのビールや飲食物の販売はほとんどなかった。あったのかもしれないが、本来ならもっと前面に出すべき②の収入を稼ぐようには見えなかった。
前回のブログ記事でも書いたが、スポーツビジネスというのはこれからは、ただ単に会場にコアなマニアと関係者だけを集めて試合を見せるだけの見世物興行から、ゆるく興味がある不特定多数のいわゆる「ライト層」を取り囲んで、彼らのチケット収入と会場内で滞留するときの物販&飲食物の収入で、現金収入で収益を高めて利益率を向上させるビジネスへと脱皮させていかなくてはならない。
以前アメリカの大統領選挙でもオバマ陣営が勝利したのは、マイノリティーへの浮動票(スポーツビジネスにおけるライト層)への、いわばマーケティングの成功が勝因だとあったが、スポーツビジネスももっとコアなマニア以外にも多数のライト層をいかに集客するかが、損益分岐点の赤と黒の境目になる。
しかし昨年(2015年)見たスポーツには前述のハンドボールもそうだが、筆者が20年間見ているボクシングも同様に、会場での物販収入で利益率を高めるという基本的な概念すらもない素人のビジネスもある一定数あった。
後楽園ホールの場合、飲食物の提供は可能だが、物販収入というのは0に等しい。
今の時代インディーズのバンドでも(スポーツにおける試合に相当する)ライブのチケット収入の他に、物販収入で自身たちの構成するグループの収益を考える時代なのに、ボクシングや他のマイナースポーツだと未だに前時代的な、試合のみの見世物興行で、時計の針が止まっている。
この問題は「ここまでで終わりっ!」というモノがないエンドレスなモノである。今回はここまでで1つの区切りにするが、また機会を見て再考したいテーマである。