①では日本に出てきたプロスポーツリーグにおいて、プレーヤーズファースト(選手第一主義)がまだまだ普及していないということを述べた訳だが、これからの日本のスポーツ界において選手をどう扱うか?ということを考えてみたい。
ここ20年近くの中で最も選手という存在を軽視し続けたのは、やはりバスケット界であろう。
バスケ界は本来ならプロ化してアジアの中でもっと存在意義を見せないといけなかったのに、バスケ協会が自分たちの保身に走り、遅々としてプロ化を先送りしてバスケ日本代表選手がリストラされても何もしなかったという、プレーヤーズファーストとは程遠い自分たちの利権だけを考えた集団であった。
2005年に進まないプロ化に業を煮やした一部関係者が分離独立したのがbjリーグだった。
しかし、本来なら日本の経済力と国内のバスケ人口の多さならもっと早く統一されたプロバスケットリーグがあって当然だった。
しかし、それまで競技者の将来や国内の競技の活発化より、自分たちの面子を優先させていたので、国内に2リーグ併立といういびつな競技形態が存在していてバスケット選手を大切にしていなかったのが伺える。
筆者のやっていたボクシングもファイトマネーが4回戦なら6万円と、こちらもプレーヤーズファーストからは程遠い世界であった。
日本で最も進んでいるプロスポーツリーグであるサッカー(Jリーグ)も、他のスポーツよりはまだ良いが問題点も多い。
Jリーグと契約したプロ選手はC契約という契約を結ばれ、この契約だと年俸は最高で480万円と上限が決まっている(チームで活躍すると、B契約やA契約で収入が上がる)。
子供の頃のプロスポーツ選手というのは金持ちで服や車にお金を費やせる、というイメージがあったが、実際にはサッカー選手でさえ現実は厳しいのである。
本来ならJリーグだと、サッカー選手が受益者(プレーヤーズファースト)になるはずなのに、選手にお金が回ってこなくなっているのだ。
こうして今回はプレーヤーズファーストについて考えてみた訳だが、昔日本代表監督の岡田武史氏が「Jリーグができて最初の10年で選手がプロになった。次の10年で指導者がプロになった。この後の10年ではフロントなど運営を司る人間がプロにならないといけない」と言っていたが、Jリーグ(プロサッカー)の運営を司るサッカー協会もプロになってもらいたいし、他のプロスポーツリーグの人間にもプレーヤーズファーストという概念を肝に銘じてもらいたいものだ。