①ではスポーツのブログなのにいきなりスペイン語講座から入った訳だが(バルサやレアルが好きなら覚えておいて損はないが)、②ではJリーグにおいてこのSaberとConocerの違いが何の役に立つのかを述べたい。
今このブログを書いているのはJ2のプレーオフ争いをしている時(2015年11月2日執筆)なのだが、今年のジェフ千葉にはFWの補強をした。その補強の1つが現役スロベニア代表のネイツ・ペチュニクである。
この欧州の代表選手の補強は、今までポンコツ外国人コレクターであるジェフ強化部にしては珍しく「当たり」だった。
足元の技術や「クリエイティブな無駄走り」と表現されるフリーランニングの質の高さ、ヘディングもシュート力もあるとサッカー選手としての格が違った選手だった。
しかしこのペチュニクも今年の夏になると、今までのジェフと同じく失速して、順位を下げていった。
なぜペチュニクは失速したのか(ペチュニクはJ2得点ランキング上位にいるチーム得点王だから感謝こそすれ責める訳ではないが)?
そこで出てくるのが①で出てきたSaberとConocerである。
ペチュニクは日本に来ると決まった時に、おそらく代理人や関係者から色々日本についての情報を聞いていたはずだ。
その時に「日本の夏は気温が高い上に湿度も高いから、サッカーどころか生活するだけで体力を消耗する」ということを知ったと思う。
しかし、この時のペチュニクの「知った」はSaberである。ただ単に知識として知っているだけで、日本の高温多湿な夏の厳しさをイメージできていた訳ではない。
実際に今年の夏にペチュニクが高温多湿な環境を初体験して、その不快な湿度を身を持って知り、自分の中に経験値としてストックさせた。
今回ペチュニクが一夏、Jリーグでのプレーを経験して対応策を蓄積できた。この時ペチュニクが日本の夏を「知った」のがConocerである。
日本の夏というのはペチュニクの旧ユーゴスラビア(セルビア)の名門レッドスターで同郷の先輩に当たるストイコビッチも、この高温多湿な日本の夏を「知る(Saber→Conocer)」のに苦労したという。
Jリーグというタフな環境に適応するためには、助っ人外国人には日本の夏を「知る(もちろんConocerで)」必要がある。
スロベニア代表なら2015年シーズンなら浦和レッズでプレーしたズラタンのように複数年日本にいることによって、日本の夏の対処方法を考えてJのピッチに適応したプレーができるのが理想だ。
ペチュニクも2016年シーズンは日本の夏を知って、夏場の失速を克服してもらいたい(ジェフに残留していて貰えればいいのだが)。
追記…ペチュニクは2016年シーズンはJ1大宮アルディージャへの移籍が決まった。