筆者もスポーツとお金の関係性を掘り下げていったスポーツビジネスのブログを曲がりなりにも2年半書いてきた。

しかし、こうして見てみるとわかってきたが、スポーツビジネスと言ってしまえば口当たりの良い華やかな世界に見えるが、実際の世界でスポーツビジネスというのは、何度も言うが血の川を渡るような爆烈に厳しい世界である。

そうした中でスポーツの世界というのは、チームの維持や試合開催だけでも多額の費用がかかる世界である。

その為に放映権料やスポンサー料・チケット収入では間に合わず、試合開催の為の募金を求めた組織もある。

この募金は難病の子供の治療費や貧困撲滅の募金ではなく、試合の為の募金である。

まず最初はJ2のザスパクサツ群馬である。Jリーグというのはクラブライセンス制度という仕組みがあり、3年間債務超過のクラブは下部リーグ降格になるという厳しい基準のある制度がある。

群馬はこの基準に引っかかり、自力での再建が困難ということで新たな取締役などが入り、クラブは群馬県民や県に所縁のある企業に募金を募った。

この時の募金による資金調達目標額を8500万円に設定し、クラブは子供向けに500円の募金でクラブの試合の無料券2枚を提供するプランも設定した。

他にも企業・法人・自治体・個人を対象にしたアシストパートナーを含むスポンサー協賛金という募金も一口2万円で募った。

スポンサー協賛金だけで約2300万円の援助を受けることに成功し、最終的に51364986円の募金を得て、ザスパクサツ群馬はJリーグの続行が可能となった。

こうして今回はJリーグのチームの募金について述べた訳だが、華やかなスポーツビジネスという世界も実は身を切るようなサバイバルな世界なのである。

参考文献  月刊J2マガジン  2014年10月号
CLUB奮闘録  クラブ経営を考える