①では名門の高校野球部の野球術からなぜか恋のテクニックを授かったが、他の高校野球漫画でも高度な野球テクニックから恋愛成就の手段を学ぶ技師が載っているので紹介したい。
筆者が今年(2015年)読んだ漫画で一番面白いと勝手に認めた高校野球漫画で「錻力のアーチスト」(最初の漢字は「ぶりき」)という、イケメンアスリートがガチで白球に思いの全てをぶつけ合う激アツな高校野球漫画がある。
こちらは高校野球漫画でも神奈川の公立高校の野球部が舞台で、主人公の清作雄(きよさく・ゆう)は高校野球漫画にしては珍しくポジションはセンターで、投手が主人公になる傾向が多い高校野球作品には希少価値の高い、ホームランありきの野球漫画である。
その稀有な才能がありながら中学のシニア時代はエゴイストでチームの鼻つまみ者だった清作が、たまたま入学した公立高校(桐湘高校)での先輩選手などとの出会いで、野球選手としても人間としても殻を破りつつあったのだが、その清作が県内有数の投手との練習試合で全く自分のバッティングをさせてもらえなかったことがあった。
その後、清作が面識のあるライバル校の4番打者でイケメンの天才バッターである蓬莱豊(ほうらい・ゆたか)と話す機会があった。
この蓬莱という打者は相手投手のボールを女性に例えて打つ癖があるのだが、蓬莱は清作に「(女性を口説く時もバッティングも)来る者拒まず手当たり次第だと自分が火傷するだけだ」
「まず相手の状況や雰囲気をよく見て、狙いを絞るところから始める」「その為に相手をよく観察して自分から仕掛けていくんだ」
「狙い以外のモノに目移りして思わず手を出して失敗するかもしれない」
「しかし諦めなければ必ずチャンスは来る。相手と自分が気持ちが同じになった瞬間…。その一瞬を逃すな」
と、この漫画では野球のバッティングでホームランを打つプロセスと、意中の女性(上玉?)をオトすプロセスは実は共通するということを主人公の清作に教えるシーンがあった。
①で述べたなきぼくろ氏もこの錻力のアーチストの作者の細川雅巳氏も、実は相当女心が分かってモテまくっている男なのではと筆者は感じた。
一方筆者は若い頃は、今蓬莱が言った通りに手当たり次第に行って、滅多打ちを喰らい火だるまを負った経験(トラウマ)を思い出して、いわゆる野球の世界で言う「負けるべくして負けた試合」というのは恋愛でも同じなのだと、この2作品で骨身に染みるほど痛感したのだ(泣)。
こうして今も連載されて名作高校野球漫画から野球で好プレーをすることと魅力的な女の子をオトすプロセスというのには、実は共通項があることが分かった。
アラフォーになった筆者が今知って意味があるのかはわからないが、若い男性は野球を楽しみながら、恋を成就してもらいたい。そしてクリスマスイブを楽しい思い出を刻んでほしい。