筆者が今回のブログのタイトルである妙義龍に注目するようになったの2013年の初場所3日目の結びの一番で、当時平幕だった妙義龍が「絶対王者」の横綱である白鵬に挑戦した時である。
正直あの白鵬が平幕に負けるイメージは全く湧かなかったので、あっさり白鵬が勝つことしか考えていなかった。
…ところが…
妙義龍が白鵬からハズに掛かって(自分の2つの手のひらを相手両脇に差し込んで押すこと)、一気に妙義龍は白鵬を押し込んで名横綱に土俵を割らすことに成功した。
もちろんその時の国技館は座布団が舞いに舞って一種のカオスになった。
この日の割(対戦表)を処分したのは悔やまれるが、正直今の外国人天国になった大相撲の土俵で、和製力士でこれだけ力のある存在がいたのは驚きだった。
しかし、この妙義龍という力士はご多分に漏れず怪我に泣かされている力士なのだ。
琴奨菊や安美錦・今の遠藤と同じく、妙義龍も膝の靭帯を爆弾がある上に、少し前の場所ではせっかく好成績で関脇にあがったのに網膜剥離で一場所棒に振ったこともあった。
それでも自分の周りの辛口な相撲ファンの人は異口同音に「だらしない日本人力士でも妙義龍は強い」とか「勝っても負けても妙義龍の取組は面白い!」と評価が高い。
妙義龍の取組を見ていて思うのが、相手力士の引きやはたきにも腰が強く粘れていうその引き技に耐えられるところである。
妙義龍の相撲には小細工がなくて真っ向勝負で面白いのだが、恐らく引き技に耐久性があるというのは、四股・摺り足(すりあし)・鉄砲など地道で単調でなおかつキツい基礎練習を毎日きっちりこなしているから、ああいう腰の強い粘りのある取り口ができるのだ。
今の日本人力士の存在感が低下していると言うが、妙義龍の取組は注目していて損はない。