今回はメジャーなスポーツで当初全国的に無名の選手だったのが、進学先やプロ入り後に高卒叩き上げで一流になった選手について考えている。
2015年シーズンにあの天才イチローを抜いて、プロ野球最多安打(216本)の新記録を打ち立てた西武の秋山翔吾も高校時代は無名だった。
秋山は高校時代は横浜創学館で高3の神奈川大会ベスト8が最高で、甲子園には行ってない。
その後進学した八戸大学で秋山は自身のポテンシャルを開花させて、大学球界有数の外野手としてプロのスカウトに注目されるようになって、プロ入りを果たした。
他のにもオリックスの佐藤達也も高校時代は無名だった。
佐藤は高校時代は埼玉の大宮武蔵野高校という無名校だったが、進学先の北海道東海大学での指導者との出会いから、大卒投手として注目される投手となり、オリックスのセットアッパーにまで成長した。
こうした大学で「化ける」というのは何も野球の世界だけの話ではない。
筆者が以前会ったアマチュアボクサーと話した時に、ボクサーの世界も皆が名トレーナーに指導されれば、チャンピオンになれる訳ではない。プロ経験の無い元警察官の山下正人会長が当時無名だった長谷川穂積を10度防衛の名王者にした、という話をそのボクサーにした。
すると、その若いボクサーは「自分のボクシング部があった高校の系列の大学は勉強もスポーツも全く無名の大学だった。しかしそんな大学にあった陸上部で棒高跳びの選手が、そこの若い無名のコーチと出会って、国内で全く無印だったのにインカレや国内の予選会を勝ちあがって、世界陸上の代表選手になった」と言った。
結局のところ、日本の場合は高校スポーツに注目されがちだが、野球でも陸上でも格闘技でもそこから後の指導者との出会い次第で、選手の将来はどうとでも変わるのである