さてさて②では今回のテーマであるアスリートのバイト時代で、筆者の根源のようなスポーツのボクシングとサッカーについて見てみたい。
まずボクシングから見ていきたいが、ボクサーだと1990年代の名王者にて筆者のアイドルでも畑山隆則もデビュー当時、川崎のパチンコ屋でバイトをしていたのは知っていた。
デビュー翌年にはファイトマネーの相場の2~3倍にあたる30万円を貰っていても、パチンコ屋のバイトが必要だったからボクサーの下積み時代の厳しさを感じる。
ボクサーも割とパチンコ屋でバイトする選手は多かったが、それより多いのは飲食店の仕事。はじめの一歩の青木勝がラーメン屋でバイトしていたり、一歩と闘った冴木卓麻が回転寿司屋で寿司を握っていたり、ボクサーの場合は朝のロードワーク→昼に飲食店のバイト→夜はジムワークと、割とレストランで仕事するのは生活のサイクルを組み立て易い側面もある。
しかし、察しの良い読者は分かると思うが、減量時は食えない+目の前のご馳走という地獄のコンビネーションパンチである。それはボクサーにとって一種の割礼でもある。
続いてサッカーだ。2011年に世界一に輝いたなでしこジャパンの川澄奈穂美は大学4年間をアサイーのドリンクバーでバイトしていたし、司令塔の宮間あやは温泉旅館の清掃のバイトをしていた。
あと特定の選手という訳ではないが又聞きなのだが、茨城県の大学サッカーの名門である流通経済大学はサッカー部員のバイトで、大学の経営母体である引っ越しの日通でバイトするというもあった。
アスリートが生活費や遠征費、競技の費用を稼ぐ為のバイト。そこには優雅に水面を泳ぐ白鳥も足元の水かきは必死に水をバタバタかいているように、練習とは別の汗がある。
参考文献 R18 2014年3月31日号