筆者は普段こういったスポーツのブログを書いているのでどうしてもスポーツの本をよく読むが、その一方でそれではバランスが悪いのでそれ以外のジャンルの本も出来るだけ目を通すようにしている。

だからという訳ではないが、サッカーのボスマン判決というのは今のヨーロッパ社会というのは象徴のように見える。

ボスマン判決については以前のこのブログで発表したが、分からない人の為にもう一度説明する。

ボスマン判決というのは1995年にベルギー2部に在籍していたジャン=マルク・ボスマンというサッカー選手が元に在籍していたクラブとの契約期間が満了したので、フランスのクラブに移籍しようとしたところ、元のクラブから移籍金を要求された。

しかしそれを不服としたボスマンがUEFAと元のクラブを相手にその要求を拒み、契約期間満了をした選手は移籍金なしで自由な移籍が可能になることを望み、訴訟を起こした。

この訴訟でボスマン側が勝訴。この件によりヨーロッパのサッカー界に大きな変化が起こった。

この判決によってヨーロッパのサッカー界に及ぼしている影響は2つある。それは①クラブは選手との契約期間が満了するとその選手は次のクラブと契約する時、移籍金が発生しない。②EU圏内での選手の移動が基本的に自由になった、とこの2件である。

筆者がこの判決でEU社会の象徴だと感じたのは②の部分である。次回はその理由を述べたい。

参考文献  サッカー選手の正しい売り方 小澤一郎 KANZEN  2012年