①では高校スポーツの激戦区の環境が厳しいことを述べたが、②ではそうしたタフな環境に対してその地区の普通の高校球児がどう目標設定するか?ということを考えてみたい。
話を千葉の高校野球について考えてみたいが、千葉の高校野球というのは「戦国千葉」という異名もあるくらい過酷な環境である。
千葉県大会というのは東京や大阪に比べて私立と公立との戦力差がほとんどなく、それぞれの学校の戦力が拮抗した地区である。
その上に高校野球というのはプロとは違い不確定要素が強いので、特に千葉は突出したチームが出づらい上に異常にハイレベルな地区である。
そうした環境の中で筆者の兄の学校の野球部員(普通の私立高校)が言った言葉が「目標は千葉マリンスタジアム(現QVCマリンフィールド)!」である。
QVCという球場は高校野球だと夏の県大会だと5回戦から使用される。ここがミソである。
高校野球千葉県大会という過酷な環境の中で、市立船橋や習志野・拓大紅陵と言った強豪校のように「目標は甲子園!」というのも現実味がない。
さりとて「目標は初戦突破」というのも少し物足りない。
そうした甲子園ほど雲の上の世界でもなく、地元の球場ほど身近過ぎる訳でもない。丁度良い距離感でなおかつプロ野球選手も試合している球場。それがQVCマリンフィールドである。
取り立ててスポーツエリートではない普通のスペックのスポーツ選手にとって、こうした目標設定というのは賢い選択である。
全てのアスリートがこうした目標設定でいい訳ではないが、こうした「丁度良い」距離感というのは日々の練習でもモチベーションを保つ為には重要である。