①ではサッカー日本代表監督の選挙権を1票1万円で売るという考えだったが、筆者としても(筆者自身がもしこうなった時に選挙権を買う訳ではないが)、この礒貝氏のアイデアは悪くないように思える。
よく「女は現実に生きて、男はロマンに生きる」というが、スポーツに何の興味を抱かない女性には理解出来ないかもしれないが、男という生き物は(別にこの選挙権を買ったところで、給料が上がる訳でもなければ出世する訳でもないのに)サッカー日本代表監督の選挙権というのに昼飯代を削ってでもこの権利に1万円を払いたい人間は山ほどいるのである。
実際この話を聞いた時に「随分ぶっ飛んだ考えだなぁ~」とも思ったが、その一方であながち的はずれでもないと思った。
というのも日本人の場合、実際の政治という意味での選挙もそうだが政治に参加しているという感覚が希薄で「お上と下々」という考えが強く、上層部は市民を低く見て市民は上層部が決めたことに関して(本来選挙で自分たちが選んだ人間がやっていることなのに)、自分たちに責任はないと考えている。上層部と市民双方の甘えの構図でもある。
それはサッカー日本代表監督の選出の場合は(それこそこちらは選挙ではなく協会人事なので特にそうだが)、誰が選ばれても「自分たちは当事者ではない」という感覚が強くなってしまう。
仮に1票1万円で参加出来て10万人がその選挙に参加したら、それだけで10億円になる。人気のある監督が半分で監督に5億円支払ってその上に選挙の費用や必要経費を差し引いてもお釣りが出る。
サッカー日本代表監督の選挙と国政選挙を一緒にしてもいけないかもしれないが、人事に対して能動的に参加させるという意味で、代表監督の任命に対して選挙と選挙権販売というアイデアは悪くない考えである。