なんだかんだでこの「スポーツの現金化」もこのテーマで500回に到達するが、(最近はテーマの拡大解釈やお金との関係性が薄い話も多いが)曲がりなりにも節目の回数を迎えるということもあって、今のスポーツ界にとって一番重要だと筆者が考えていることについて今回は述べたい。
さて冒頭のタイトルにもある「壊すサッカーと創るサッカー」であるが、この価値観を提言したのは元日本代表監督のイビチャ・オシムである。オシム監督は以前インタビューで要約するとこう答えた。
「今の時代世界のサッカーで主流なのは『壊すサッカー』である。壊すサッカーというのは、DFラインは上がらずにボランチはハーフウェイラインから決して敵陣に入らない。SBの攻撃参加もなく守備を固めて、攻撃は10番のトップ下のゲームメイクと2トップの個人技任せだけのショートカウンターが主体のチーム。
こうした戦い方は、チームを構築する手間も少なくて済み、弱いチームでも比較的勝ち点を拾えるが見ている側からすれば退屈極まりないつまらないサッカーだ。
一方で『創るサッカー』というのは監督も選手も哲学や戦術理解度・決まり事や運動量も高いレベルが求められ、失敗や辛抱も必要でチームに関わる全ての存在において色々な苦しみを求められる。
しかしこうしたいわゆる産みの苦しみを超えた先のサッカーというのは、圧倒的に強いチームになる上に見ているサポーターも楽しいサッカーだ。
『家を壊すのは一瞬で出来るが、建てる(創る)のには長い時間や労力が必要だ』という。でも自分(オシム)は何かを創り出す人生の方が豊かだと考える」
と、(当時のオシム監督の記事は今は手元にないが)要約するとオシム監督は雑誌の取材でこんなコメントをしていた。
こうしたコメントを踏まえて、次回の500回目は今のサッカー界の在り方を、自分なりに考えてみたい。