①では今の日本スポーツ界に対する病巣のような部分を述べたが、②ではその病巣に対する処方箋(しょほうせん)として必要な価値観「誇り」の重要性について述べたい。

もともとここ10年くらいの間、歪んだ結果至上主義に感じて筆者は強烈な違和感を感じていた。

しかし説明をする場がなかったのもそうだが、何より表にこの感情を出せなかったのは結果至上主義に対抗するスポーツに対しての新たな価値観が自分の中に出来上がってなかったからである。

しかしそんな悩める若者(?)に福音のような漫画が自分の目の前に出てきた。

それは今「ゴールデンカムイ」という歴史アクション漫画でブレイクしている(筆者がめちゃくちゃ尊敬している)野田サトルのアイスホッケー漫画「スピナマラダ」だった。

このアイスホッケー漫画で主人公白川朗の強豪校の勇払高校と札幌の不良軍団である雪花高校との練習試合があった。

ネタバレで申し訳ないが、反則ばかりする雪花を圧倒的な実力差でねじふせた勇払だったが、この練習試合の後に勇払の監督である二瓶利光が(敵である)雪花の選手に檄を飛ばすシーンがあった。

「(作品の中では)札幌でただ1つしかないアイスホッケー部(雪花)が誇りのないプレーをすれば、札幌の子供達はホッケーを選ばない!アイスホッケーを愛さないのだ‼︎」と愛情深くてそして力強いメッセージを雪花の選手に送った。

ネタバレしておいて何だがこの漫画は本当に素晴らしいのでお勧めだが、この二瓶監督の言葉に今の(アイスホッケーのみならず全ての)スポーツに対して必要な要素である。

以前別の漫画で「誇りに足る敗北は卑しい勝利よりも尊い」という言葉もあったが、今の時代日本のスポーツ界は卑しい勝利を求め過ぎている。

しかしいくらスポーツがプロ化してビジネスになったからといって、悪魔に魂を売るような卑しい勝利に価値があるようには筆者には見えない。

しかし今の時代スポーツにとって最も重要なのは卑しい勝利ではなく「誇り」である。