このブログではできるだけ他者を否定するような事は書かないようにしているが、ボクシングに限らず他の格闘技でも野球でもサッカーでも指導方法や新しい戦い方や戦術というのは日々進化している。

そうした指導のメソッドという激流の中で過去に囚われたやり方に固執するという事は、選手を不幸にするだけだ。

前回の話だとその日本人指導者がそのメキシコのボクシングジムで指導していなかったら、そこで練習していたメキシコ人ボクサーは間違った練習方法で効果のない無駄にトレーニングをしていたという事になる。

新しい指導方法のアップデートの必要性というのは何も格闘技だけではなく、球技も同様だ。

1980年代後半まだスマホどころかネットも携帯電話もなかった頃、当時はまだ指導者ではなく現役だった巨人の桑田真澄が先駆的にアメリカから情報を集め、新しい変化球を覚えて勝ち星の山を築いた事があった。

SFF(今の言葉では「スプリット」と言う)という縦に小さく落ちる変化球で、日本で先駆けてこの球の使い方を知り相手打者を手玉に取った。

この時日本人は「やはり桑田は違う」と言う言葉で終わらせていたが、よくよく考えてみると違う気がする。

桑田はこの時指導者ではなかったが、勝つ為に貪欲(どんよく)な姿勢と適切な情報収集がプロでの白星量産に繋がったのだ。

この時桑田がもし古い指導者のやり方だけでやっていたら、この時の活躍はなかったであろう。

今の時代ネットが発達して先駆的に情報を掴む事が難しくなったが、それでもどういう種目でも練習方法や指導のメソッドに対するアップデートというのは必須である。