冒頭のタイトルは「何だこりゃ?」と思う人も多いかもしれないが、まあ読んでいってもらいたい。

このタイトルに敢えて正式名称をつけるなら「産業構造の賞味期限は70年」という意味である。

「それはどーいうこっちゃ?」と思われるかもしれないが、世の中のマクロ経済ではないが大きな社会的な枠組みというのは、大体70年ぐらいしか持たないということである。それはスポーツということよりもっとむしろ大きな仕組みに多い。

例えば1868年に明治維新が起こり、1877年に江戸幕府の思考が完全に死滅した西南戦争が日本で起こった。

この西南戦争の68年後の1945年に旧明治政府の思想が終結した第二次大戦敗戦が起こった。

海外でも1917年にロシア革命が起こり、その72年後の1989年にベルリンの壁が壊れ、冷戦が終結した(ソ連崩壊は1991年)。

世界の近現代史を見ると70年周期で世の中の価値観が変わる事は多い。今の日本も終戦からちょうど今年(2015年)で70年だが、社会的な仕組みが少しずつ緩んで機能不全になっている気がする。

「おいっ!独眼鉄っ!このブログはスポーツビジネスのブログであって歴史のブログじゃねーだろっ!(怒)」とお怒りの声もあるかもしれない。

しかし実はこれはスポーツの世界も同じだ。それはプロ野球の世界を見れば分かる。日本初のプロ野球球団というのは、1934年に正力松太郎が創設したのが始まりといわれる。

そこから70年後に何が起こったか?察しの良い読者なら分かるかもしれない。2004年に日本球界のみならず日本全体を大騒動に陥し入れた事件。そう。近鉄・オリックス合併問題である。

この年当時の近鉄バッファローズが球団が出す年間30億円の赤字をネーミングライツ(36億円)で補填する事を発表したが、泥沼の平成大不況の煽りで頓挫。

この後近鉄とオリックスの両球団が一方的に球団合併とプロ野球球団10チーム&1リーグ制を表明し、野球ファンのみならず日本国民全体がこの騒動の一挙手一投足に注目するようになった。

結果は周知の通り、ネット通販大手の楽天が50年振りの新球団を設立し12球団&2リーグ制は維持できたが、それまで漠然とやっていけるだろうとタカを括っていたプロ野球の球団経営に強烈な危機感が生まれた。〈②に続く〉