①では五輪メダリストの報奨金や副収入(報奨金そのものより高額)について書いてみたが、次はサッカーについて見てみたい。
タイトルに「W杯」とあるが、日本代表の国際試合全般について考えてみたい。
以前元Jリーガーの玉乃淳が「元サッカー選手でも代表歴の有無でセカンドキャリアの中身に大きく差が出る」と言っていたが、サッカー日本代表も①の五輪メダリストのようにW杯の出場や勝利給での報奨金より、知名度を売ることでの副次的な要素で稼いでいるところが強い。
日本代表選手の報奨金は日当が1人1万円で勝利給がW杯で1人200万円、コンフェデやアジア杯・W杯アジア予選では各1人100万円、東アジア杯やアジア杯予選では1人50万円(それぞれ引き分けは半額)となる。
前回のブラジル大会では日本代表選手にもW杯予選を勝ち抜いた勝利ボーナスが支給されたが、フル出場した選手で総額2000万円である(ザッケローニ監督には1億4000万円が支給)。
また大会ボーナスはW杯優勝の場合は5000万円(!)で準優勝が3000万円、3位が2000万円とあるが、今の日本代表の実力では非現実的である。
前にブログで書いたソチの五輪報奨金でも、タクシーの初乗り料金が250円程度の国が金メダルで2500万円という国もあったが、その国は冬季五輪の強豪国ではなく金メダルがなかったというのがあった。このサッカー日本代表のW杯優勝の報奨金における値段設定も似たような意味合いを感じる(実際に日本代表がW杯で優勝したら、この報奨金を選手に払ってもお釣りが出るほど経済効果はあるだろうが)。
ただサッカー日本代表の選手でもキャリア晩年に現役選手を長く続けるがあまり地域リーグでのプレーになると、収入という面では厳しいのも現実である。
こうして五輪メダリストとサッカー日本代表の報奨金を比較してどちらがお得かを見てみたが、結局一長一短であり選手が選ぶ価値観に集約されるというのが今回の結論だ。
スポーツビジネスというジャンルも競技によって稼ぎ方はまちまちだが、一般のビジネスでもそうだが収益率を上げるのは難しいのである。
参考文献 あの野球選手とゴルフ選手はどちらが儲かるのか? 松尾里央 TAC出版 2010年
週刊サッカーダイジェスト 2014年5月13日号、2013年5月28日号
Number849 2014年3月2日号