冒頭のタイトルの2人はボクシングに興味のない人には馴染みはないだろうが、チャベスというのはフリオ・セサール・チャベスのことで、デラホーヤというのはオスカー・デラホーヤという人のことである。

チャベスもデラホーヤも時代はズレるが少し前の北米のボクシング界を彩ったスーパースターである。

チャベスはボディー打ちの達人で(一歩がハンマー・ナオをボディー打ちで悶絶させたが、あの時のボディー打ちのモデルはチャベスのそれだ)、欧州では技巧派ボクサーが好まれる傾向があるがチャベスの主戦場の北米ラスベガスのリングでは、ボディー打ちを含めた好戦的はファイターが重宝される。

一歩のモデルはタイソンが基本だが、肩で相手のパンチの勢いを殺す技術などチャベスのインファイトのテクニックも参考にしている面もある。

要はあれだけのボクシング漫画の主人公がお手本にするくらいチャベスは偉大だった訳だ。

一方デラホーヤというボクサーは90年代に活躍したボクサーで、五輪メダリストから大々的に北米のリングに登場し、しかも端正な顔立ち(防御技術が優れているから顔が打たれてない)もあって、今風に言うと「イケメンボクサー」の走りだった。

デラホーヤの長所は防御もそうだが、その目にも止まらぬハンドスピード(腕の動きの速さ)で、並み居る強豪を倒しまくり瞬く間に時代の寵児(ちょうじ)となった。

そしてデラホーヤのハンドスピード主体のボクシングは、その後世界的な傾向としてスピードボクシングの潮流を作るきっかけになった。

こうしてこの2人の偉大なボクサーを紹介したが、この2人が同じリングで対戦することになった。〈②に続く〉