「スポーツの現金化」と言うブログを書いている身分なので、スポーツ選手と言う肉体派エリートが身体(からだ)を作ると言う事によって、どう自分の筋肉を現金化するが術にするかと言う、このブログの究極的なテーマになる話である。
筆者も若い頃は「身体能力が高ければ勝手に出世して、野球ならメジャーにサッカーなら欧州に行ける」と単純に考えていたが、スポーツの世界で自分の身体を現金化するのはそうシンプルな手法ではない。それをこれから述べる。
前回このブログで1993年のサッカーの世代別代表で有望株は10番の財前宣之で、中田英寿はチーム内でそれ程注目されてなかった、と言う話をした。
では何故財前はサッカー界の激流に淘汰され、中田は欧州でその才能を輝かすことが出来たのか?
前回紹介した「Hard After Hard」で財前は自身の敗因と中田の勝因を冷静に分析するシーンがあった。
財前は自身の失敗の原因を、自分がサッカーが一番上手いと考え(それは間違いではなかったが)、プロサッカーのピッチ上で耐えられるサッカー選手としての身体を作っていなかった。いくら世代別代表の10番と言ってもプロとユースの筋力や精神面の負荷は違う。自分(財前)の身体はサッカーの技術に対して、身体や筋力が未成熟であって、(サッカー留学先の)イタリアで靭帯を断裂してしまいプロ生活で3度の靭帯断裂を経験してしまった。と要約するとこういう事を言っていた。
反対に中田の勝因はまずプロのフィールドに順応出来るだけの強靭な身体を作り、そこから日本のJ→イタリアのセリエAと階段を登って行った。
中田の場合は後のセカンドキャリアの事もそうだが、頭が良いというか先を見据えた構想力が高い事を評価していた。
筆者もこういうブログを書いているので、才能溢れるスポーツ選手が何故淘汰され、逆に「えっ⁈あのあいつが?」と言われるダークホースが天下を獲るのを何度も見てきた。
ただ筋肉を鍛えればプロで成功する訳ではないが、「身体を作る」と言うのも(十分条件ではないが)必要条件なのかもしれない。〈②に続く〉