こうして①ではドットコム杯の大会の意義を紹介したが、②ではもう少し突っ込んで書いていきたい。

昨今のスポーツにおける結果至上主義の中だと、ドットコム杯の様な2軍選手の為の大会など(悲しい事に)軽視される傾向にある。

だが、筆者はこうしたドットコム杯のような大会こそ日本のサッカー文化の裾野を広げる働きがあると考える。

以前筆者はブラジルW杯前のこのブログでセルジオ越後が「高校のサッカー部員が100人いる学校なら1チームだけでなく、20人のチームを5チーム出場させるべき」と言っていて、「それができないならいくらサッカー協会に競技者が増えてお金が入っても、日本サッカーは強くならない」ともあった。

現在の日本の高校スポーツでは、サッカーに限らずメジャーな競技は皆1校1チーム制のままだが、しかしドットコム杯の様な大会が出来た事によって少しずつではあるが、2軍選手の様な無名のサッカー部員にも陽の目が当たる機会が増えていったと言う事は素晴らしい事である。

昔、スラムダンクのメガネ君が相手の高校の監督に「彼(メガネ君)も3年間頑張ってきたんだ。侮ってはいけなかった」と言われるシーンがあったが、(競技は違うが)試合に出られないサッカー部員でもその3年間の努力と言うのは尊いのである。

ましては大会ではスタンドで声出ししている部員が試合のユニフォームを貰い、自分の背番号と名前をコーチから呼び出されたら、その2軍選手も心が武者振るってくるだろう。

今の時代「試合で問われるのは結果のみ」と言う風潮で無名のサッカー部員の努力を軽視される傾向にあるが、しかしこうした無名のサッカー部員と言うのが(筆者の次兄がそうだったが)周囲の人間をサッカー場へ誘う「サッカー教の宣教師」になるのである。

無名のサッカー部員の3年間の努力は尊い。