最近の筆者のブログもスポーツの現金化と謳っておきながら、あまりスポーツとお金の連動性が薄い記事が多かったので「どこがスポーツの現金化なんじゃい⁉︎」と不満を抱えている読者もいるかもしれないが(笑)、今回はちゃんとそうした要素のある記事にするつもりだ。

今回の「サッカー放映権料バブル」というのはどういうことかといえば、今回は1990年代のW杯の放映権料の急激な高騰についてであり、どういうプロセスにおいてヨーロッパの労働者階級のスポーツに過ぎなかったサッカーの国際大会の映像料金が、国家を買える程の値段に跳ね上がったのかを見てみたい。

そもそもプロスポーツという世界は1980年代までの日本においては特殊な世界の人々で運営されている娯楽であり、同じアミューズ系の産業でも映画や歌の世界に比べて、いまひとつ素性がわからない分野でもあった。

しかし1990年代に入りJリーグが発足しプロスポーツというジャンルが一般人にも市民権を得るようになって、急速にスポーツを飯の種にする「スポーツビジネス」というキーワードが出てきた。

スポーツの試合を商品とする以上、売り物にするのはスパイクやボールと言った「スポーツ用品」や試合の「チケット」と言ったモノの他に、試合の「映像=放映権」という新たな概念が生まれた。

しかし日本のサッカーという世界が一部の好事家の娯楽から一般人の普遍的なメガイベントに変わったのはたった10年ほど前であった。

日本のサッカー関係者もW杯の放映権料という海のモノとも山のモノともつかない実態のない商品の値踏みというのは試行錯誤の連続だった。〈②に続く〉