筆者は今はスポーツビジネス専門のブログを書いているが、昨年(2014年)までは社会問題や漫画論のブログも書いていた。

今回のブログのテーマは基本的にスポーツビジネスのジャンルであるが、ある意味「少子化」という社会問題にも繋がるテーマなので、それを踏まえた上で読んで頂けたら幸いである。

先日興味があって読んだ漫画で(スポーツではないが)「絢爛たるグランドセーヌ」(最初の漢字は「けんらん」)(Cuvie作・秋田書店)というバレエの漫画を読んだ。

主人公の小学生の女の子有谷奏(ありや・かなで)が近所の仲の良いお姉さんがバレエをやっていたのを見て、自身もバレエをやり始めて踊る魅力にどんどん魅了されていくという魅力的なバレエ漫画だ。

しかしこの漫画を見て感じたが、1人のバレエダンサーを育てるのに奏の両親が共働きで、奏自身は一人っ子。この環境でようやくなんとか家計のやりくりが出来ているという。

しかも親は自分の冬のボーナスを我慢してバレエの費用を捻出して、バレエの発表会も少ない休みを潰して手伝いをしている。

その上バレエの発表会のチケットもそれほど需要のあるジャンルのイベントでもないし、しかも客単価を高くしないと採算が合わないから値段も張ることもあるだろうし、もしくは沢山チケットの枚数を捌いて(さばいて)薄利多売で売るか?(ネットだと1枚2000円で10枚がノルマというのもあった)。とにかくあまり興味のない人に沢山チケット捌くのは骨の折れる作業だ。

1人のバレエダンサー育てるのにこれだけの労力や時間・費用がかかるモノなのか?というところである。

何か習い事をさせるには今の時代一人っ子でないと出来ないのか?と思わされた(作品関係者の名誉の為に言っておくが、このバレエ漫画自体はハイレベルな作品で、作者のCuvie氏も筆者は素晴らしい漫画家である。興味持った方は是非ご一読を)。

今のスポーツビジネス(バレエもボディムーブメントの芸術としてスポーツと拡大解釈させて貰う)でジュニアやキッズ世代の育成費用が高騰し過ぎると、かえって一人っ子が主流になって少子化が急激に加速する要因になる。②ではフィギュアスケートの資料を見ながら考えてみたい。