長々と続けたクリケット編も今回で1つの区切りを付けるが、最後にクリケットの置かれている状況を説明したい。

クリケットと言う競技はイギリスの貴族階級のスポーツと言うのを①で述べたが、クリケットの強豪国というのはイングランドや豪州・インド・パキスタン・南アフリカや西インド諸島(ジャマイカ等のカリブ海の島々)が主である。

特に豪州では国内で最も人気のあるスポーツは実はラグビーではなくクリケットで、同国のビーチには草野球ならぬ草クリケットに興じる人が多く存在する。

またインドではクリケットは国技で、インドには「インドでは女の子は女優に憧れ、男の子はクリケット選手に憧れる」と言う言葉があるくらい、インドではクリケットが(一昔の日本人にとってのプロ野球のように)生活に根差したスポーツなのである

クリケットの世界にももちろんW杯は存在し、前述の強豪国が世界の覇権を争い闘っている。

実は筆者が2007年にクリケットの講習会に初参加したのも、このクリケットW杯の優勝国の写真を偶然見たのがきっかけだった。

その写真にあった優勝国のメンバーがトロフィーを掲げたシーンは「自分達はマイナー競技だから」と言う卑屈なところがが全くなく、強い相手を倒したという男としての自信と尊厳に満ちた表情をしていた。その写真で試しにクリケットを体験してみようと思った。

その8年後に今度はブログのネタ探しで同じ練馬区の会場に行ってクリケットをプレーした。

今回の講習会でクリケット経験のある男子中学生が運営の手伝いをしてくれた子がいたが、筆者は彼にどういった経緯でクリケットに携わるようになったのかを尋ねた。

彼曰く「僕は豪州に3年間住んでいました」と答えた。結局日本でクリケットという競技と関わるにはこの子のように特殊な環境に身を置くか、筆者のようなスポーツにこだわりの強い変わった人間になるか、どちらにせよ普通に生活しているとまず接点のないスポーツである。

しかしどんな競技でもルールを覚えるとその競技が楽しくなっていくのは、全てのスポーツで共通だ。

いずれインド人にクリケットの魅力を聞いてみたい。