さてさて真打ち登場である。前述のAvanzareつくば(茨城県)だ。③でも述べたようにブラサカの場合日本選手権と言っても、選手によっては体の絞れていないぽっちゃり体型のプレーヤーも存在する。

…しかし…

つくばの選手は違った。プレーヤーは全員視覚に難があることを除けば、Jリーガーとまでは言わないまでも冬の選手権で3回戦まで勝ち抜けるくらいのサッカーをする為の戦闘集団といった面持ちだった。

つくばの選手は本来、視覚もしくは聴覚に問題のある筑波技術大学の学生や卒業生が中心となっているチームである。

現役日本代表も当然複数在籍し、川村怜・佐々木ロベルト泉といった選手と魚住稿監督の下で日夜、質の高い練習に励んでいるという。

つくばの選手は目が見えない状況でも躊躇のないスライディングや回転ドリブル(!)で相手を翻弄。予選リーグ3試合を無失点で余裕の首位通過を果たした。

今回ブラサカの選手達が目が見えない状態で走ってスピードに乗ったドリブルや果敢なスライディングをしたが、筆者は試合会場の端にある体験コーナーで彼らのプレーがどれだけ凄いのかを痛感した。

まずアイマスクして全くの暗闇で鈴の入ったボールの中の音を聞きながらボールを探すのは、はたから見る以上に至難の業である。

実際にドリブルも体験したが健常者の筆者の場合はへっぴり腰で歩きながらドリブルするのが関の山で、走ってのドリブルやましてや暗闇の中でのスライディングがどれだけ勇気のいる凄いプレーというのは言わずもがなである。前に車椅子バスケの体験コーナーで競技用車椅子が真っ直ぐ前に進まなかったというのがあったが、障がい者スポーツというのは体験するのが1番の理解への近道だ。

今回のブラサカ観戦はこのくらいにしておくが、サッカーの世界というのはW杯やJリーグだけでなく、こういうアツい世界もあるというのは筆者にとってもブログにとっても有意義であった(会場でブラサカ協会のボランティアで学生団体所属の山崎紘菜に似た女子大生にブラサカ日本代表へのボイスメッセージの音入れに協力を頼まれ当然即答で快諾!音入れ終了後にブラサカについて色々教わったのは内緒である)。