〈①からの続き〉最近スポーツ観戦していてサッカーや相撲のように、あらかじめ終わる時間がわかる娯楽というのはかなりのアドバンテージである。

というのも今も筆者は仕事をしているが、筆者に限らず日本で働く人(特に東京のような大都市圏で働く人)というのは皆時間に追われる生活をしている。

それが「心」を「亡」くす忙しい生活に繋がる訳だが、世の中の人間は皆そうやって自分の食い扶持を稼いでいる。

しかしそんな時間に追われる現代人が、数少ない貴重な時間を削ってスポーツのような娯楽を楽しむ時に、帰りの時間が計算できないというのは想像以上のストレスになる。

特にボクシングだと試合が無駄にダラダラすると、終了時間が平日でも夜10時近くになることも珍しくない。

その点相撲だと終了時間は午後6時だしサッカー(Jリーグ)なら試合開始時間の2時間後(夜4時キックオフなら6時には終了)と帰りの足の計算がしやすい。

プロ野球も終了時刻はわからないが、試合の大勢が分かったら家路に着くことも可能だ。

しかしボクシングの場合お笑いのトリにあたるメインイベントが一番最後なので帰りたくとも帰れない。

そんな旧時代のような興行システムで数少ない一見さんがリピーターになる訳がない。

かくしてボクシングの会場にはお客さんは来ずにチケットは余ってしまうのである。

何度も言うが「客が来ない」「チケットが余って売れ残っている」というが、それは関係者の甘えであって単に買う価値の全くないチケットが存在しているだけである。