前回はサッカーのユースについて色々書いてみたが、それでは一方野球の世界では育成環境の変化というのはどうなっているのかというのを考えてみたい。
野球の場合は周知の通りJリーグのように基本的にプロが自前の下部組織というチームを保有はせずに、学生チームから選手をとってくるのが普通だ。
このブログの読者なら当たり前過ぎるので今まで書かなかったが、ダルビッシュ有や田中将大のように関西の中学世代のシニアリーグの経験者が高校野球では競争率の激しい関東や近畿の学校を避けて、東北や北海道の選手層の薄い学校に越境で入ることは今更常識なぐらい知られた話だ。
そういう意味でサッカー以上に、言葉は悪いが選手の青田買いが早くから行われていた学生野球の世界でも、ここ数年新たな波がある。
それは中高一貫校で中学の野球チームを自前で作り、そこで育った優秀な選手をエスカレーターで進学した高校のチームで試合に出場させるという動きである。
学校名は忘れたが数年前のセンバツでこうしたやり方で創部1年目で甲子園初出場したところもあった。
高校野球も30年以上前はまさに「スポーツの現金化」の先駆者として、青春や涙以上にマネーボールな世界になっていたモノだが、日本の学生野球のビジネス化と言うのもここに極まれりといったところである。〈②に続く〉