この記事がアップされる頃にはかなり前の話になるが、先日のW杯二次予選の日本vsシンガポール戦を見た。

結果は周知の通りスコアレスドロー。明らかな格下が引いて守っていわゆる「ドカウンター」で来ることは誰しもわかっていたこと。なのに堅牢なシンガポールのゴールマウスという城郭は最後まで陥落できなかった。

試合後は当然ネット・紙媒体などで散々論議された。筆者の場合少し考える時間が欲しかったので、敢えて間を置いて書いた。それをこれから述べたい。

この試合で日本代表に求められた部分が冒頭のタイトルの「緩急」である。

昨年(2014年)のW杯ブラジル大会ではアジアは一勝もあげられなかったが、それでもアジアのサッカー界は急速に発展している。特に近年経済成長が著しい東南アジアはどんどん力をつけてきている。

そうした進化を続けるサッカー界のなかで必要とされるテーマがその緩急である。

サッカーのみならず一般社会でもIT化により社会全体が高速化しつつある。

ジェフ千葉の関塚隆監督はその現象を「新幹線症候群」と呼ぶが関塚監督は物事何でも早けりゃいいモノではないと言う。

特に社会全体が高速化した今の日本では、早さの代わりに人の気持ちを推し量る余裕が削られてると説く。

先日の日本代表も格下相手の変な緩みから焦りが出てきて、日本の中盤が相手DFの密集するエリア無理に縦の速いパスを出して墓穴を掘った感がある。この日の代表は相手どうこうというより自滅だった。

こうしたサッカーでも一般社会でも極度な高速化の時代に必要なのがその緩急だ。
〈②に続く〉