①では竹島がどうして揉めたかについて述べたが②では日韓基本条約について見てみたい。
東アジア問題で禍根を残した李承晩がクーデターで失脚。その後政権を握ったのが独裁政権だった軍部出身の朴正熙(パク・チョンヒ)だった。
朴正熙は第二次大戦の時に日本の陸軍士官学校出身で親日派の大統領だった。
しかし当時の韓国はアジアでも最貧国だった。余談だが韓国では「シクサハショッソヨ?(ご飯食べた?)」という挨拶があるが、ご飯と関係なく使う。何故こんな挨拶があるかと言えば、それだけ昔の韓国では食事をすることが重要だったのだ。
そんな貧乏な韓国を朴正熙は変えようと自分の地元の慶尚道に経済特区をつくり、当時の最先端の工場を誘致して経済的に豊かになろうとした。
その為朴正熙にとって日本との国交樹立というのはマストの問題だった。
それで1965年6月25日韓国の朴正熙大統領は日本の佐藤栄作首相と日韓基本条約を締結した。
この時日本政府は韓国の植民地支配の清算として韓国政府に無償で3億ドル、有償で2億ドルを支払った。
朴正熙の韓国政府はこの賠償金と韓国軍が同時期のベトナム戦争でのアメリカ軍協力での資金提供で得た金で、韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展を成し遂げた。
そしてこの条約での皮肉というのが、現在の韓国の大統領が朴正熙の娘の朴槿恵(パク・グネ)大統領で、佐藤栄作首相の大甥が今の安部晋三首相である。アメリカのブッシュ親子やケネディ駐日大使を見てもそうだが、どこの国でも選挙による民主主義と言っても結局ジバン・カンバン・カバンの世襲なのだ。
こうして日韓基本条約締結から見る現代政治を見てきたが、東アジアについて感情的になっている今の時代だからこそ歴史的経緯を冷静に見つめることが重要なのである。
参考文献 日韓キックオフ伝説 大島裕史 集英社文庫 2002年
大統領を殺す国 韓国 辺真一 角川oneテーマ21 2014年