これまでFIFAが内部でお金まみれになった経緯を見てきたが、最後にどうしてここまでサッカー界にお金が流入してきたのかを見てみたい。

最初にスポーツイベントでお金になることに気づいたのはオリンピック(以下五輪)だった。

前にも書いたが五輪も以前はテロリストの選手村立て篭り事件や1980年のモスクワ五輪の西側諸国ボイコットで悪いイメージがあった上に、1976年のモントリオール五輪では多額の赤字を計上し自治体から五輪を嫌がられていた。

そうした中で1984年のロス五輪でピーター・ユベロスが五輪運営の大幅な黒字化に成功し、それまで鼻つまみもの扱いだった五輪が一気に金のなる木になった。

しかしその後五輪招致がエスカレートの一途を辿り(長野五輪では招致の時の書類を全て紛失する失態があった。それまでの五輪招致が金満の世界だったことの証左だ)、IOCは招致活動での理事と自治体の接触を厳しく規制した。

こうしたスポーツイベントの次なる受け皿になったのがW杯だという訳である。

しかし③でも言ったが五輪もW杯でも自治体がスポーツで儲けようと言う考え自体には変わりはない。

ただ今回のFIFA会長の汚職問題というのは「ブラッターが金の亡者だ」と言う一元的な問題ではなく、色々な要素が絡みあって起こった事件だった。