〈①の続き〉この招致はご存知の通り日本と韓国が引き分けであったがなぜ共催になったかと言えば、日本の単独開催だとアベランジェの独裁が続くから嫌だ。しかし韓国の単独開催も欧州のFIFA理事も「敵の敵は味方」で手を組んだに過ぎず、インパクトに弱い。
その為FIFAの政権争いから来る妥協案としてこのW杯が共催になったのだ。この経緯は「サッカーの国際政治学」(小倉純二・講談社現代新書・2004年)に詳しい。
こうしてFIFAを中心としたサッカービジネスが魑魅魍魎なのかを見てきたが、この時FIFA内でアベランジェの懐刀として存在感を示していたのが、当時理事だった(今回FIFA会長を辞任した)ブラッターなのだ。
日韓大会後のFIFAでアベランジェが力を失い、その後対抗馬だったヨハンソンもUEFAチャンピオンズリーグの放映権料の汚職問題で失脚して、次々とFIFA内の大物がいなくなっていった。その後にFIFA内で台頭したのがブラッターだった。
③ではブラッターの内部を見てみる。