今回は今までのテーマから少し脱線しているかもしれないが、ボクシングのチケットが売れないのと少子化が進むのが仕組みとして同じなことを説明したい。

今の時代少子化が進むのも原因ははっきりしていて、ぶっちゃけ大学の授業料が異常に高すぎるからだ。

もっといえば今の親になる世代が高すぎる大学の授業料に対して、高額のコストに見合う見返りが大学教育で得られるか疑問を持っているので、だから子供を作るのに二の足を踏んでいるのである。

昔のプロサッカー漫画で「人は抽象的な形の目に見えないモノ(名誉など)に金を出さない。具体的な見返りに金を払う」というが、ボクシングのチケット代も大学の授業料もどちらも前者なことは変わりはない。

楽しいかどうかわからない(しかも夜中にやっている)ボクシングの試合にだれも冒険してチケットを買わないのと同じで、高額の学費を支払っても必ずしも楽しいとは限らずつまらない大学の講義(しかも就職の保証もない)に、今の親になる世代は2000万円も払う気はしない。だから子供は減る一方なのだ。しかも減った入学者の穴埋めに授業料を値上げする。それこそ「THE愚行」と呼ぶに相応しい愚行だ。それに「質の高い教育」という言葉も保護者に対して全く具体性が無く、説明責任から逃げた単語だ。

ボクシングのチケット代も大学の授業料もどうしても今の料金体系を維持したいなら(その考え自体が思考停止した老人の甘えた考えなのだが)、具体的にどういうところにどういう予算が必要なのか?金を払う保護者(ボクシングファン)にちゃんと説明する義務がある。

興行上の理由(大学側の都合)だけで値段設定しても、ほとんどの人からすれば「そんなそっちの都合は関係ない」と見捨てられるのが普通である。

ボクシングのチケット代にしても大学の授業料にしても、何故それだけの費用が必要なのかというところとそれだけの費用に値する価値があるという具体的な説明が出来ない限り、だれもボクシングのチケットなんて買わないし子供を大学に進学させない。 

これからの時代にモノの値段を提示する際には具体的な理由を自分の言葉で説明しないとやっていけない。「自分達は権威だから」など過去の惰性のような態度ではスポーツでも教育でも誰も振り向かなくなるのだ。